江戸筆製作中

筆工房 亀井での製作工程をご紹介します
筆のタイプによっては違った作り方をすることもありますが、
基本的な作り方はこのような流れで作られていきます

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選別

筆の原料となる毛は、同じ動物の毛でもそれぞれに長さ・毛質などの差がある
目と手触りを頼りに原毛をより分けていく

 

 

煮沸

原毛は動物由来の油分を含んでいる
毛に油分が残った状態では水分である墨液がはじかれてしまい、墨持ちが悪くなったり筆先の割れの原因になったりするため、長時間熱湯で煮沸することで毛の中にある油分を溶かし出す

 

乾燥

煮沸した原毛を一度乾燥させる

丈分け

必要に応じて大まかな長さ毎に毛を抜き分ける

 

火のし

熱をかけて毛の中にある油分をうきださせると同時に、毛を伸ばす

 

毛揉み

稲の籾殻を燃やした灰を毛にまぶし、布にくるんで揉む

毛揃え

寄せ金・手板を使い、毛先を揃える

 

さらい

小刀を使い、毛先の切れた毛や縮れ(曲がり)のある毛を取り除く

先出し作り

筆の命毛になる部分を分板の長さにあわせて切る

型作り

先出し作りで長さを決めた命毛にノド毛・腰毛・腹毛を組み合わせて筆の型を作り上げる

練り混ぜ

型作りしたものを5~6個に分け、均等に混ぜ合わせる

さらい(小広げさらい)

水分を含んだ状態で、なじみの悪い毛を抜きとる

芯立て

コマを使い、筆一本分の量に分け、さらになじまない毛を取り除く
ここでは筆の先がねじれた状態で飛び出してしまう毛(割れの原因となる毛)を取り除く

 

上毛掛け

”芯立て”で出来た芯に化粧毛を外側に薄く一枚巻きつける

 

尾締め

上毛を掛けた芯の元を麻糸で縛り、熱したコテで焼いた後
熱いうちに糸を引き絞る

 

接着

尾締めをした頭を接着剤で軸に接着する

 

仕上げ

保管と、多少の癖を直すために煮溶かしたふのりを含ませた後
糸で余分なのりを絞り取る

完成

ようやく完成