「弘法筆を選ばず」という言葉が有りますが、本当でしょうか?
弘法大師にまつわる書物の「遍照発揮性霊集」の中には、
「能書は必ず好筆を用いる」(良い書は必ず良い筆を用いる)
「臨池、字に遂って筆を易う」(書は字にしたがって筆を変える)
という言葉が残されています。
筆工房亀井では、一人一人の好みや技量、書き方、字の大きさ、字の形(仮名・仮名漢字交じり・楷書・行書・草書など)に合わせて筆を選ぶべきと考えています。
筆は硯の上で固形の墨を擦りこれを使う事によりより良い筆に成長します。
「時間が無い」と言って液体墨を使用すると、筆は成長を止めてしまいます。
無駄な時間と考えず、硯に向かい、心を落着かせ墨を擦る時間を大切にしてください。